負け犬の読書灯 〜本はいい。無秩序にご紹介〜

今日か明日、書店に行きたくなる書評

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

忍者の、理想と現実と

【書評】忍者の精神 [著]山田雄司 (2019年5月、KADOKAWA、199頁、1,700円+税) 忍者の精神 (角川選書)作者: 山田雄司出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/05/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 忍者は確かにいたらしい。しかし、黒ずくめ…

狂騒の80年代の写真週刊誌を1800円(税抜)で一気読みしてる感じ

【書評】金ピカ時代の日本人 狂騒のニッポン│1981年~1991年 [写真と文]須田慎太郎 (2019年7月、バジリコ、350頁、1,800円+税) 金ピカ時代の日本人作者: 須田慎太郎出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2019/07/07メディア: 単行本この商品を含むブログを…

太平洋を1年5か月漂流した後、アメリカ、アラスカ、カムチャッカ経由で帰国した船長の話(200年前)

今週のお題「海」江戸時代後期、1年5か月もの間、太平洋上を漂流し生還した日本人がいた。史実に残る日本最長記録との説もある。彼らは1813年11月、督乗丸なる船で江戸から愛知方面に航行中暴風雨にあい、太平洋を漂流する。船上での凄惨な日々が1年5か月近…

かぐや姫『僕は何をやってもだめな男です』(1972年:伊勢正三作詞、よしだたくろう作編曲)

今週のお題「わたしの好きな歌」 大学1回生の12月、下宿を始めた。風呂なしの6畳一間である。必要最小限の家財をかき集めたが、カーテンに気が回らなかった。暖房器具とカーテンがない神戸の冬は想像以上に寒かった。 そして、お金がなかった。新しいバイト…

こんなはずではなかったと、彼は死刑の日の朝、言った

【書評】「カルト」はすぐ隣に オウムに引き寄せられた若者たち [著]江川紹子 (2019年6月発行、岩波書店、223頁、900円+税) 「こんなことになるとは思っていなかった」地下鉄サリン事件の実行犯の一人は死刑執行当日の朝、こう言ったという。なぜ真面目…