負け犬の読書灯 〜本はいい。無秩序にご紹介〜

今日か明日、書店に行きたくなる書評

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

1953年の児童書『みんなの世界』に込められた願いとは

みんなの世界 (岩波の子どもの本)作者:マンロー・リーフ出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1982/01/01メディア: 単行本 児童書にしてはやや無機質なタイトルと、落書きスレスレの脱力系イラスト。本書は民主主義のルールを、小学生の日常生活を引き合いに易…

女性美を兼ね備えた青年内科医が女性関係と人生に悩んだ挙句…(舟橋聖一著『薔薇射たれたり』)

『薔薇(ばら)射(う)たれたり』は昭和21(1946)年、雑誌『女性』に連載された作品である。恋敵の女性同士が電車で向かい合わせになるというような不自然な偶然がいくつか見られたり、語り手の「私」が途中からいなくなったりと、完成度を問題にしようと…

昔の日本人はオーロラをどう見たか。そもそも日本でそんなにオーロラが見えたなんて。

オーロラの日本史: 古典籍・古文書にみる記録 (ブックレット“書物をひらく”)作者:岩橋 清美,片岡 龍峰出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2019/03/15メディア: 単行本 日本の古い史書や日記には、オーロラを目撃したものと思われる記録が多数残っているという。…

スイーツの「歴史」の福袋、みたいな一冊

日本の食文化 6: 菓子と果物作者:出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 2019/10/24メディア: 単行本 お菓子や果物は生存用の食糧というよりは、味覚を楽しむ嗜好品である。ではご先祖さまはいつから、どんな風に甘味を食するようになったのだろう。本書では、…